424 :本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/06(金) 10:37:32.95 ID:9UY6CX1C0 [1/4]
10年近く前の話。
その頃、自分は施設で暮らしていた。
そこでは結構な数の子供が集団生活をしていたんだけど、その中にAという子がいた。
A(♀)は歳下で、当時は中学生。
お互いお尻の青い頃から一緒に生活をしていたんだけど、彼女はたまに精神不安定に陥ることがあった。
なんか訳の分からないことを喚いたり、自身の精神面の脆さを切々と語ってみたり。
普段はそれなりに仲良かったけど、大変そうな時のAは基本的にスルーする事にしていた。
で、とある深夜、Aがまた恐慌状態に陥った。
宿直の職員さん(以下「先生」)が宥めているのを見て、暇だった私もそこに加わる事にした。
先生に事情を聞いても「よく分からない」と言われたので、しゃくり上げるAに「何があった?」って直接聞いてみたんだ。
でも返ってくるのは「怖い」という言葉ばかり。
何が怖いのかと尋ねても、いまいち要領を得ない。
それでも何回か繰り返すと、Aは「鬼がおる」と言い出した。
先生と顔を見合わせていると、彼女が更に言う。
「○○ちゃんの部屋におる」と。
こともあろうに私を指差して。
当然、そんな物騒なものと同居した覚えはない。
彼女曰く私の居室のカーテンに影が映っていたのだというが、まぁ私の影だろう。
いつものアレかなと思い、なるべく優しく「そんなんおらんよw」と懇々と説いた。
しかしAは相変わらず怯え続けていて、宥めているはずのこちらまで不安になった。
そんな中、彼女がまた泣き喚き始める。
「○○(私)ちゃんの後ろにおる!!怖い!!」
(続く)
426 :本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2011/05/06(金) 10:43:20.98 ID:9UY6CX1C0 [2/4]
(続き)
勘弁してくれと思ったが、ちょっと興味が湧いたので詳しく聞いてみた。
Aが言うには、私の頭の後ろに「紫色で丸い、光みたいなもん」が浮いていたそうだ。
普段そういうモノに縁のなかった私は、ついに霊体験かとワクワクしたんだが、さすがにそれを言うのは憚られる。
「それただの蛍光灯w」と多少無理な説を通し、Aを宥めた。
その後しばらくでAも落ち着いたけど、一人にするのは可哀相だったから夜が明けるまで3人で過ごすことになった。
ちなみに私も先生も、Aの言うようなものは見ていないし、うちの施設に「出る」なんて話は皆無。
先生と「何だったんだろうね~」と呑気に話しつつ、朝を迎えた。
というわけでAの話はここまで。
以下は蛇足かもしれないけど書いてみる。
・この話のあった日の夕方、私の家族が急死した。
洒落にならんくらい打ちのめされつつ出席した葬儀の日、施設で飼ってた犬が死んだ。
どん底状態の私の傍に寄り添ってくれた子だった。
・それから3ヶ月後。
たまたま寄った店で、店員さんと立ち話をした。
翌日、その方のご家族の名前を新聞の事故欄で見つけた。
あの頃はだいぶ参ってたから、Aの話は深く考えてなかった。
もしも本当に見えていたのなら、それは何だったのか気になる。
後の出来事と繋がるかどうかはわからないけど。
ほんのりというか、ボンヤリした話でごめんなさい。
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